経済

地域間の格差

『税と格差社会』林宏昭 個人間の格差とともに、近年大きく取り上げられるようになったのが、地域間格差の問題である。(p11) 『県民経済計算』は、2004年に改定が行われた。この改定によって1996年度以降の数値に若干の修正が加えられるため、厳密な意味で…

格差社会

『税と格差社会』林宏昭 ニート、フリーター、非正規雇用、インターネットカフェ難民、ワーキング・プア、そして地域格差など、格差社会を特徴づける言葉は、今日頻繁にマスコミをにぎわしている。だが、これらの何が問題なのだろうか。また、それらのどれに…

何が格差を広げたのか

『消費税をどうするか』小此木潔 格差と貧困の原因については、さまざまな見方が出た。野党やメディアの間では、「労働の規制緩和を進め、とくに製造業の派遣労働を解禁した小泉政権の政策が大きな原因だ」とする見方や批判が広がっていった。(p98) 先に述…

貧困化進む日本社会

『消費税をどうするか』小此木潔 OECDの報告書は第一章でこう述べた。「社会的な公平性は日本の戦後の経済発展にとって核となる価値であった。所得と富が公正・平等に分配されているという人々の意識が社会の結束力に貢献している。たしかに、日本人の四分の…

「規制緩和」路線が格差社会と貧困化に拍車をかけた

『消費税をどうするか』小此木潔 わかりやすい事例では、「民にできることは民に」と言って、郵政民営化を改革の原点とした小泉改革も新自由主義を推進したと見るのが妥当だろう。同時に労働分野の規制緩和によって製造業の派遣労働を解禁したこと、公共事業…

再分配を弱めた「税制改革」

『消費税をどうするか』小此木潔 消費税の創設・導入から税率引き上げ、そして今日にいたる過程を振り返ってみると、政治がいかに「消費税」というテーマと深く絡み合ってきたかがわかる(表3-1)。 筆者が消費税導入から消費税率引き上げ、さらにその後の財政…

グローバル化の大きな契機

『消費税をどうするか』小此木潔 グローバル化の大きな契機は、一九七一年八月のニクソンショックに始まるブレトンウッズ体制の崩壊である。それまでは国民経済の枠が強固に維持された上で国際調整が成り立っていたが、ドル体制の弱体化を補完するためにでき…

改革が減らした税収

『消費税をどうするか』小此木潔 合算してみれば、「税制改革」による税収減のほうが、バブル崩壊とデフレによる税収減の金額(六・九兆円)よりも大きいという客観的事実を財務省が認めているわけである(図2-2)。(p42) 「消費税を導入したい、引き上げたい、…

サミットと米国の圧力

『消費税をどうするか』小此木潔 日本の輸出増がもたらした経常収支の黒字も、財政赤字を膨らませる一因となった。貿易不均衡の是正を求める圧力がサミット(主要先進国首脳会議)や日米首脳会談などの場で強まり、日本は繰り返し内需拡大を約束した。そのため…

危機の本質は

『消費税をどうするか』小此木潔 人々を追い詰めている危機は、大量失業を生んでいる世界同時不況だけではない。むしろそれが、グローバル化や政策の結果として拡大してきた貧困と格差をさらに悪化させ、ワーキング・プアと呼ばれる人々を多く生み出すことに…

国債残高の増加要因

『消費税をどうするか』小此木潔 国債残高の増加要因について財務省は、「歳出面では一九九〇年代は公共事業関係費の増加が主要因」だが「近年は高齢化の進行などに伴う社会保障関係費の増加が主要因」と説明する一方、「歳入面では、景気の悪化や減税による…

企業の社会保険料負担を肩代わりする消費税増税案

『消費税の経済学』大間知啓輔 経団連は、二〇〇三年五月二九日、消費税率引き上げを次のように提案しました。 ①消費税率を早期に八%に引き上げ、二〇〇七年度までに一〇%にする。 ②二〇一三年度に一五%にし、一六年度以降は一八%に据え置く。 これは基…

小規模事業者の税の転嫁難

『消費税の経済学』大間知啓輔 こういうわけで、大企業が担う業種では、本体価格の引き下げなしで、本体価格に消費税を上乗せできます。大企業は、他の事業者や消費者へ税を前方転嫁することがきわめて容易です。消費税法の建前どおりに税の前方転嫁がおこな…

高所得者重点の減税

『消費税の経済学』大間知啓輔 消費税増税と所得税減税でいったい誰が利益を得たのでしょうか。表1-1は、一九八八年に対する消費税を導入した八九年の夫婦子ども二人の給与所得世帯の所得税・住民税・消費税の負担の増減を収入別にみたものです。所得税額は…

「日本の法人税は高い」というまやかし

『消費税を上げずに社会保障財源38兆円を生む税制』◆不公平な税制をただす会 編 「法人実効税率」のごまかし 安倍首相は企業の競争力をつけるため、高すぎる日本の法人税を引き下げるとしています。経団連など財界も、日本の法人税率をアジア諸国並みに引き…

巨大企業は極小で中小企業は極大の税負担

『消費税を上げずに社会保障財源38兆円を生む税制』◆不公平な税制をただす会 編 富岡幸雄中央大学名誉教授は、「日本で法人税をほぼ法定税率どおりに払っているのは、黒字を出した中小企業で、現状は巨大企業が極小の税負担で中小企業が極大の税負担をしてい…

住民税、どうして社長も私も10%?

『消費税を上げずに社会保障財源38兆円を生む税制』◆不公平な税制をただす会 編 住民税はどのようなものか? 住民税は、私たちが住んでいる都道府県と市区町村の2か所に納める税金です。その年の1月1日現在に在住している市役所に、市・県民税として(東京都2…

配偶者控除の廃止をどう考える?

『消費税を上げずに社会保障財源38兆円を生む税制』◆不公平な税制をただす会 編 繰り返しになりますが、税金を払う力がない人から無理やり税金を取らない、それが、「健康で文化的な最低限の生活」を保障する憲法の原則です。(p62) この考えにもとづけば、…

配当金への税金は日本が一番安い

『消費税を上げずに社会保障財源38兆円を生む税制』◆不公平な税制をただす会 編 配当金をもらった人に対する税金は、日本が一番安いといわれています。 たとえばアメリカでは所得税が0%、15%、20%の段階税率でほかの収入と分けて課税されますが、かなり高…

金持ちが普通に社会保険料を払えば、年金問題は即解決

『税金は金持ちから取れ』武田知弘 現在の年金問題で、まず真っ先にやらなくてはならないのは、金持ちの社会保険料の負担率の上限を廃止することだ。 もし金持ちが普通に社会保険料を払えば、年金の財源はすぐに確保できる。 国税庁の二〇〇八年の民間給与実…

四〇〇万人の「富裕高齢者」と、激しい貧富の格差

『税金は金持ちから取れ』武田知弘 昨今の日本では億万長者が激増し、その結果、貧富の差が拡大している、と繰り返し述べてきた。 それに加え、日本経済はさらに厄介な問題を抱えている。それは「億万長者の多くが高齢者」ということである。 日本の金融資産…

法人税率を上げても、景気に悪影響はまったくない

『税金は金持ちから取れ』武田知弘 「法人税を上げれば景気が悪くなる」 法人税反対論者は、よくこう言う。 しかし、これはまったくのデタラメである。 法人税を上げても、景気にはほとんど影響はない。それは理論的にも言えるし、データとしても明確に表わ…

日本の企業はアメリカ企業の二倍の貯金を持っている

『税金は金持ちから取れ』武田知弘 上の図を見ればわかるように、企業の内部留保金はバブル崩壊以降も着実に増え続けている。 二〇〇二年には一九〇兆円だったものが、二〇〇八年には二八〇兆円にまで膨れ上がっている。たった六年で一・五倍になっているの…

金持ちや大企業は、あり余るほどカネを持っている

『税金は金持ちから取れ』武田知弘 いわゆる億万長者や大企業の財産は、一九八〇年代以降、急激に増えている。 なんと、そこには一〇〇〇兆円もの貯蓄があるのだ。 その内訳を簡単に説明しよう。 まず、日本には個人の金融資産(預貯金や株など)が一四〇〇兆…

上場企業の株式配当金への課税は、たったの一〇%

『税金は金持ちから取れ』武田知弘 前章では、昨今、株主への配当が急増していると指摘した。 しかも腹立たしいことに、株主は収入が激増したうえに、税金面も優遇されている。 日本で金持ちが急増したのは、このせいでもある。 普通、国民の税金というのは…

「小泉―竹中構造改革路線」が億万長者を増やした

『税金は金持ちから取れ』武田知弘 それにしても、日本経済が不況で苦しんでいるなか、億万長者がなぜこんなに増えたのか、疑問に思う方も多いだろう。 その答えは簡単だ。 昨今、日本では、経済政策として極端な”金持ち優遇”が講じられてきたからだ。前述し…

最低賃金の水準が示す、低所得者の冷遇

『税金は金持ちから取れ』武田知弘 給与所得者の年収が下がり続けたのは、国が労働者に対する政策をきちんと定め、実行してこなかったからである。 その事実がもっとも顕著に表われているのが「最低賃金」である。 最低賃金は、景気の動向を見ながら国が定め…

年収二〇〇万円以下の給与所得者が激増している

『税金は金持ちから取れ』武田知弘 「年収二〇〇万円を切る」という状態は、特に都市部では、一人で部屋を借りることを考えれば、安定した生活を営むことが難しいことを意味する。 そこから税金や社会保険料などが引かれると、一ヵ月あたりの生活費は一三万…

「デフレ不況にはインフレを起こすべし」という暴論

『税金は金持ちから取れ』武田知弘 「いまはデフレ不況なのだから、人為的にインフレを起こすべし」 昨今、こう言う経済評論家なども多い。これらの人は、経済学は知っているが、経済の実態を知らない。 デフレの反対がインフレではない。安定した経済状態の…

自殺率の高さの原因は、金持ち優遇政策のせい

『税金は金持ちから取れ』武田知弘 日本の自殺率が急上昇したのは、バブル経済崩壊以降、日本企業でいわゆるリストラ(人員削減)が進んでからである。 バブル経済以前の日本の自殺率は、そう高いものではなかった。九〇年代前半だと、一〇万人あたり一六人程…