畜産業

肥らせ方

『和牛のノシバ放牧』上田孝道 長年牛を飼い精肉店も営む長老は、バラ肉が販売できる程度の肥らせ方でよいことや、とくに良質の粗飼料を与えないと旨味のある牛肉ができないことを力説されています。そして、粗飼料の確保には熱心で、一時期は標高九〇〇mの…

現在の肥育牛

『和牛のノシバ放牧』上田孝道 しかし、現在の肥育牛が食べているエサは、濃厚飼料の給与率が全国的に九〇%と聞きますから、粗飼料は一〇%ということになります。これほどまでの濃厚飼料多給は、輸入牛肉の増加にかき立てられるかのようにエスカレートした…

低温殺菌

『草の牛乳』野原由香利 牛乳の殺菌方法(沸かし方)は、食味に対して大きな差を与えるようだ。まずは、匂い、舌触りといった風味がまったく違ってくる。「七〇℃で二〇分くらい沸かした」と言って出される牧場の牛乳には「自然体のおいしさ」とでも呼びたいよ…

適性規模について

『マイペース酪農』三友盛行 適正規模とは、生産規模と生活規模があり、この二つの規模がバランスよくかみ合うのが本来のその農場の適正規模です。 生産規模としての適正規模ですが、生産を構成する歯車がきちっとかみ合い、より少ないエネルギー、生産資材…

雑草と仲良くする

『マイペース酪農』三友盛行 私の草地は、更新なしですから機械で耕すことはしませんが、実は私の草地では、小さな生きものたちが年間休むことなく耕してくれているのです。(p104) ともあれ、更新すればするほど雑草は増えますが、この解決法の一番は雑草と…

刈り遅れの乾草がなぜよいのか

『マイペース酪農』三友盛行 一方、私の草の刈り取りはすべて七月半ば以降で、一般にいわれる刈り遅れの草です。(p99) なによりも太陽の恵みを十分受けており、実入りもよく、量も多い。年一回の収穫で、しかも乾草なので作業は軽く、機械も軽装備ですみ寿…

一〇〇を求めるより八〇の働きで

『マイペース酪農』三友盛行 「腹八分に医者いらず」という言葉があります。いつも満腹では、胃も過労になり、消化も十分できませんし、食べすぎでは肥満となり、成人病を多発し、短命に終わります。営農も同じように腹八分くらいがちょうどよいと思います。…

いまのふん尿は質が最悪

『マイペース酪農』三友盛行 しかし、近年の高泌乳路線は、乳生産を高めれば高めるほど、排泄されるふん尿の質が劣化し、よい堆肥ができなくなっています。それに忙しさが加わって、堆肥づくりはますますおろそかになり、過剰のふん尿は廃棄物扱いとなってい…

高泌乳化の反動

『マイペース酪農』三友盛行 しかし、高泌乳化もはじめた当初の段階では多給に対して乳量も順調に増え、酪農家は乳搾りのおもしろさを実感しつつ、さらに高次をねらうという流れにはまり込んでゆきます。そして、高レベルになるにつれて、その反動が現われ、…

泌乳量は低くても収益は二倍

『マイペース酪農』三友盛行 乳量・乳代は経営を支えるもっとも大きな柱です。もちろん、適正な乳量に達しなければ経営は成り立ちませんが、生産が多ければよいわけではありません。 現在の全道の乳検の平均成績は、一頭当たり八〇〇〇キロを超え、配合飼料…

経営は「拡大」よりも「習熟」の時代

『マイペース酪農』三友盛行 経営改善を考えるとき、まず中期・長期の計画を立てます。その改善の中心は、常に乳生産の増加を念頭において考えるのが普通です。確かに乳量が増え、乳代収入が増えることは、経営改善の一つの方法ではありますが、だからといっ…

山に学ぶ 自然に学ぶ

『木村秋則と自然栽培の世界』木村秋則 編 斎藤晶 木村秋則 木村 斎藤さんの牛が排泄したウンコを見て、私も北海道に何度も来たものですから、あちこち酪農家も見ていたわけですが、斎藤さんのところは、ウンコのすぐそばに生えている草の色と周辺の草の色に…

牛もゆっくり、人もゆっくり

『モー革命』古庄弘枝 牛もゆっくり、人もゆっくり――「引き算の経営」哲学 斎藤陽一さん 斎藤牧場では、朝六時から搾乳を始めて七時には終わる。夕方も、六時から始めて七時には終わる。搾乳と牛舎の掃除にかける時間は朝夕一時間ずつ、合計二時間だけだ。搾…

山は宝もの

『モー革命』古庄弘枝 山は宝もの――「山のかみ」斎藤晶さん 「中途半端がいい」 「『絶対』はないの。必要ないことは忘れることが大事。いつまでも覚えていると過去にとらわれるから」 「中途半端がいいの。いいかげんが理にかなっている。五〇%だけやって…

「牛肉輸入自由化」実施が追い討ちをかけた

『モー革命』古庄弘枝 一九八六(昭和六一)年の生産調整、八七(昭和六二)年の「乳脂肪率三・五%」基準導入、それに九一(平成三)年の「牛肉輸入自由化」実施が追い討ちをかけた。 牛肉の輸入が自由化されたことで、乳用オス子牛や乳廃用牛の価格が急速に下落…

乳脂肪率三・五%

『モー革命』古庄弘枝 正さんが入植して四年目の一九八七(昭和六二)年、「生乳」の取引基準の乳脂肪率が三・五%に改定された。「生乳」とは、商品である「牛乳」になるまえの乳のこと。 発端は、大手乳業三社(雪印・明治・森永)が八七年度から生乳取り引き…