独立性

オリバー・ストーン オン プーチンオリバー・ストーン

 ――だが時代は変わる。アメリカはこう考えているのかもしれない。イギリス、フランス、ドイツを見ろ、と。かつては強大な国家だった。それぞれに長い歴史を持つ、帝国主義国家だった。私の母の祖国であり、私も幼少期を過ごしたフランス、大英帝国、そしてドイツ。それがどうなった?

 「それは第一次、第二次世界大戦の結果であり、かなりわかりやすい話だ」

 ――私がいわんとしているのは、マテリアリズム(物質主義)の威力だ。こうした国々がアメリカの衛星国になったのは第二次世界大戦以降で、いまやアメリカの世界戦略に唯々諾々と従っている。ショックだ。すべて私が生きているあいだに起きたことだから。覚えているだろうか、一九六〇年代にはシャルル・ドゴールがヨーロッパにおけるアメリカの勢力拡大に「ノー」と言った。NATOからフランスは脱退した。フランスからアメリカを追い出そうとした。非常に強硬な立場を示した。だがそれ以降、ヨーロッパでそんなことがあっただろうか? メルケル首相はアメリカの言いなりだ。かつてアデナウアーがそうだったように。イギリスは基本的にアメリカの指示で動いている。こうした国々には独立性など存在しない。それが私には不安なんだ。(p195)