尽忠報国の精神

『台湾人元志願兵と大東亜戦争』鄭春河

 つくづく思ひまするに、人間と生まれ来てその生が幸であつたか不幸であつたかは、その人の心掛け次第に依ると断定する。私は報はれぬ境遇に生まれついたが、それでも幸せ者と自ら満足している。何故ならば、僅か二十六年の日本人ではあつたが、人間の一番大事な時に、日本の正しい教育を受け、千載一遇の大東亜戦争にも参加できた。敗戦とはなつたが、私の人生に悔いはない。波瀾万丈の体験を重ねて、「尽忠報国」の精神と国民道徳とを身につけたまま今日に及んでゐる。これに勝る幸せがあらうか。(p07)