世論調査

終戦論 なぜアメリカは戦後処理に失敗し続けるのか』ギデオン・ローズ

 一九四四年一二月におこなわれた世論調査では、「戦争が終結したら日本国に対してどのような処置をとるべきだと思うか?」という設問に対して、一三パーセントの回答者が「日本人をすべて殺す」ことを望み、三三パーセントの回答者が国家としての日本を破壊することを支持していた。ドイツに関しても同様な世論調査がおこなわれているが、第一の選択肢に相当する「ドイツ人の全員殺害」の項目はなかった。
 一方、一九四五年六月に実施されたギャラップ調査では、戦争が終わったら天皇をどう処置するべきかという設問に対して、処刑を是とするものが三三パーセント、戦争犯罪裁判にかけるべきとするものが一七パーセント、投獄すべきとするものが一一パーセント、国外追放すべきとするものが九パーセントだった。名目上の指導者だからという理由で容赦すべきだとしたのは四パーセント、戦後の日本の管理に利用すべきだとしたのはわずか三パーセントであった。アメリカ国民は日本に対して譲歩することのない政策をとることによって、自分たちが耐えるべき負担が大きくなってもよいと覚悟していたようでもある。一九四五年六月におこなわれた調査ではこう尋ねている――「われわれが占領軍を日本本土に上陸させないと約束したら、日本は降伏を申し出て、外地の日本兵を復員させるかもしれない。機会があればそのような和平提案に応じるべきか、それとも日本本土で日本を徹底的に叩きのめすまで戦うべきか?」。これに対して八四パーセントの回答者が戦い続けることを希望し、和平提案の受け入れを支持したのはわずか九パーセントだった。八月一〇日、日本が天皇の地位を保証することを条件にポツダム宣言を受諾する旨を初めて表明すると、アメリカの世論はこのような取り引きに強く反対した。ギャラップ調査では、日本の申し入れの受け入れに反対する人と賛成する人の割合は、ほぼ二対一だった。『ワシントン・ポスト』紙は、議会の空気は日本側の申し入れ受諾に三対一に近い割合で反対だと推測していた。(p155)