原爆投下の背景

『図説 アメリカ軍の日本焦土作戦』太平洋戦争研究会 編著

 さまざまな文献を読むと、現実にトルーマン大統領はじめアメリカの政府・軍部要人が原爆投下に踏み切った背景は、次の五点に集約されそうだ。

 第一は、アメリカ人は、西漸運動時代にインディアンをそう見たように、日本人を野蛮な人種、いや冷酷な野獣と考えており、日本には保護されるべき民間人はいないという考え方が根底にあった。(p166)


 第三点に関しては、もっともらしい理由の最たるものではある。マーシャル参謀総長やスチムソン陸軍長官が最後の段階で原爆投下を多少躊躇していたことは事実のようだ。その弱腰を奮い立たせるように少なからぬ科学者や政治家がこの立場にたった。(p167)