米軍の無差別爆撃

習近平よ、「反日」は朝日を見倣え』高山正之

 この新聞は先日、フィリピン人作家ショニール・ホセの「日本軍はマニラで10万人を虐殺した」話を載せた。
 10万人が死んだのはすべて米軍の無差別爆撃のせいだ。米軍自身が「まあ半分くらいは」と小声で認めているが、ホセはそれを語らない。
 「日本兵は残虐でビンタされた」と彼は言う。それは東南アジアのどこでも聞く苔の生えた嘘だ。仮にビンタがあって、それと米軍が「日本人と区別がつかないから原住民は皆殺しにした」(レスター・テニー・元アリゾナ大教授)のとどっちが残虐だ。
 記事はホセに勝手に話させるだけでどの1行も裏を取っていない。吉田清治の記事とそっくり同じ構成だ。
 そしたらそれに前後してAP電がマニラ発で「日本軍は米軍の爆撃の合間に女子供を集めて計10万人を虐殺した」とホセより荒唐無稽な話を報じた。
 ヒュー・コータッチもジャパンタイムズに「マニラの10万人虐殺が、原爆を含む米軍の日本への集中爆撃を招いた」と寄稿している。
 なぜマニラの一斉報道か。訝しんでいたら数日後の3月10日に日本の新聞が東京大空襲70周年を報じた。
 そう言えば原爆忌が近づくとあちこちで南京大虐殺話が飛び出してくる。米国だけが残虐ではない。日本も30万人殺した。お相子ではないかという文脈になる。
 それで東京大空襲10万人犠牲者には嘘を承知でマニラ大虐殺の出番になるのか。
 そう考えると朝日は米国の都合に合わせて記事を書いているともとれる。
 朝日の体質が改まらないのもその辺にホントの理由があるのかもしれない。(p173)