ロシアに住むユダヤ人

『永遠のドストエフスキー』中村健之助

 自分はロシアに住むユダヤ人が居住区その他の点で虐げられているとは思わない。二三〇〇万のロシアのナロードのほうが苦しんでいる。むかしからユダヤ人は金貸し業でナロードを思う存分だましてきた。ユダヤ人はアメリカ南部諸州をはじめ、世界中いたるところで無知な民衆から狡猾に搾取を続けている。ユダヤ人は並はずれて優秀な民族であって、やがては大多数が金融業を営むようになり、それによって世界のあらゆる民族を支配下におくことを狙っている。ユダヤ人はどこの国に住もうと多民族と融和せず、国の中に国をつくる。ロシア人はユダヤ人を憎んだことはないが、ユダヤ人はロシア人を憎んできた。(p218)