合成洗剤メーカーの広告費

『環境浄化石けん』森田光徳

 合成洗剤メーカーは、テレビコマーシャルや新聞、女性雑誌などの大広告主として、業界では知られています。
 一九九八年度の調査では、花王、ライオンの大手二社は、二社の合計売上高一兆五十七億円に対し七百七十三億円、約七・七%を広告宣伝費に使っています。これは自動車メーカーや家電メーカーの六倍以上にあたります。とくにテレビでは、大手メーカー四社(花王、ライオン、P&G、日本リーバ)で年間三百二十五時間、一日にして五十三分ものコマーシャルを流しているということです(一九九八年関東地区)。
 民間のテレビ局はもちろん、新聞などのマスコミが大お得意さまであるメーカーを叩いたり、合成洗剤を批判したりできるはずがありません。(p66)


『自然流「せっけん」読本』森田光徳

 日本経済新聞によると、一九八九年のわが国の総広告費は、五兆七一五億円(前年比一四・八%増)で、名目国民総生産(GNP)に対する比率は一・三%になっている。企業別の広告ベスト10は、すべて個人消費依存型企業である。
 一位松下電器産業の広告費は四五一億八七〇〇万円、売上げは四兆七四六億円で、広告費は売上げの一・三%にあたる。二位花王の広告費は、四二一億三三〇〇万円である。一日当たり、一億一五四三万円になる。売上げが五二一三億円だから、その比率は八・〇八%である。だが売上げのなかには、界面活性剤などの工業用油脂製品や輸出品も含まれているので、消費者向けの商品だけで計算すると一〇%を軽く超すことになる。
 金銭万能社会では、政党も企業もあらゆる団体も、すべて大きくなりすぎると悪の温床となる。「大量生産の大量販売が流通機構を征服する」なんて、バカなことを言う学者がいたから、それが発端となって、合成洗剤や農薬、食品添加物をはじめとする化学物質の氾濫となり、本来なら三日しかもたない食べ物が、食品という名で全国の店頭に大きな顔をして並んでいる。人の命や環境破壊は関係ない。(p59)