浄化槽の性能

『山で暮らす愉しみと基本の技術』大内正伸

 浄化槽は基本的に微生物を利用した浄化なので、流入水の水質が一定の場合はいいが、濃かったり薄かったり極端な変化がある場合(現在の家庭ではその場合が多いのだが)、その処理に微生物が迅速に対応できない。また、化学的な洗剤や薬剤が入り込むと微生物の増殖が損なわれ、処理能力が落ちてくる。生物毒性のある合成洗剤は現在も多くの家庭で使われているが、ある住宅団地で実験的に全戸を粉せっけんに変えてもらったところ、下水処理場の経費が3割に減った(以前の7割減)という(『自然流せっけん読本』森田光徳/農文協p.130)。浄化槽は、都市近郊の農地と集落が適度にバランスされた場所にこそ、もっとも向いているのではないだろうか。質の高い浄化槽を適切に使い、かつその排水の集まりを「自然水路」で流せるならば、ウグイやオイカワを泳がせ、ヘイケボタルをすまわせる「新たな川」を創出することも可能なのだ。そこでは、川の源流はあなたの家だ。(p92)