二つの緑の革命

モンサント』マリー=モニク・ロバン

 「緑の革命が、最初から良からぬ意図をもっていたとは思いません。当初は、第三世界の国々の食糧生産を増やすという目的があったからです」とヴァンダナ・シヴァは語った。「しかし、緑の革命がもとづいていた工業的農業モデルは、環境や社会、とりわけ小農民に対して悲劇的な結果をもたらしました」。(p466)


 「緑の革命によってインドは食料を自給することができるようになり、一九六五年から一九七〇年までの五年間に、小麦の生産は一二〇〇万トンから二〇〇〇万トンまで増加しました」と、最近『自殺の種子』を出版したヴァンダナ・シヴァは言う。「現在、この国は世界第二位の小麦生産国で、七四〇〇万トンの小麦を生産しています。しかし、そのためにどれほどの犠牲が払われたことでしょう。土地は痩せ細ってしまい、保水力の低下は深刻な状態です。汚染が蔓延し、食糧作物を犠牲にしたモノカルチャー化が進んでいます。そして何万人という小農民が行き場を失い、スラムへ向かっています。小農民にとって、多額の費用のかかる農業モデルは、そもそも採用することができないのです。『第一次自殺ブーム』は、第一次『緑の革命』の失敗の兆候でした。残念ながら第二次『緑の革命』、つまり新たなGMOによる『緑の革命』は、第一次『緑の革命』の延長線上にあるだけでなく、もっと多くの人を死に追いやることになるでしょう」
 「それはなぜでしょうか? 二つの『緑の革命』は、どのように違うのでしょうか?」
 「この二つの革命の違いは、第一次『緑の革命』は公共団体の指導で行なわれたという点にあります。つまり、政府が農業の開発と研究を監督していたのです。しかし、第二次『緑の革命』を主導しているのは、モンサントという民間企業なのです。ほかにも違う点があります。第一次『緑の革命』には、たしかに化学製品と農業機械をより多く売るという隠れた目的がありました。それでも主な目的は、やはり食糧を多く供給することであり、十分な生産量を確保すること、そして、食の安全保障を確保することでした。たとえ豆類など他の作物を犠牲にした面はあったにせよ、主食であるコメや小麦の生産量は増えたのです。しかし、第二次『緑の革命』は、食の安全保障という目的とはまったく関係がありません。その唯一の目的は、モンサントの利益を増やすことです。モンサントは、自社が定めた掟を、世界全体に押し付けることに成功したのです」
 「モンサントの掟というのは、いったい何なのでしょうか?」
 「特許です。モンサントは、遺伝子操作は特許を獲得するための手段である、と言いつづけてきました。それがモンサントの真の目的なのです」(p469)