世界中で不当廉売が横行している

モンサント』マリー=モニク・ロバン

 インドの東南に位置する広大なアンドラプラデシュ州へ向けて飛び立つ前に、キショル・ティワリはパンダールカワダの綿花市場に、私を案内した。そこは、マハラシュトラ州で最大の市場の一つである。その途中で私たちは、荷車の列とすれ違った。その荷台には綿花袋が積まれ、それを水牛が牽いていた。その様子を眺めながら、キショル・ティワリが言った。
 「あらかじめ言っておきますが、この市場の人々は爆発寸前です。農民は憔悴しきっています。収量は絶望的なまでに低いうえ、綿相場がこれほど下がったことはないのですから。アメリカ政府が農業者に補助金をばらまいているせいで、世界中で不当廉売(ダンピング)が横行しているのです」(p446)