PCB(ポリ塩化ビフェニル)

モンサント』マリー=モニク・ロバン

 PCB、つまり「ポリ塩化ビフェニル」という塩素化誘導体(有機塩素化合物)は、一九世紀末の産業発展を体現していた。その当時、自動車産業が急成長をはじめたのに合わせて、その製造に必要な素材を提供するために、石油の精製技術が追求された。その過程で、化学者たちはベンゼンのさまざまな性質を発見した。こうしてベンゼンは、薬品やプラスチック、着色料の化学的合成に必要な素材として使用されるようになった。この輝かしい時代の化学実験室で、新米の魔法使いたちは、ベンゼンと塩素を混ぜることを思いついた。そこから新製品が生まれた。それは熱に対して安定性をもち、火に対してすばらしい耐性を示すことがわかった。PCBの誕生である。それから五〇年のうちに、PCBは全世界に広まっていく。PCBは、電気変圧器や工業用油圧機械の冷却液として利用されたほか、プラスチック、ペンキ、インク、紙の潤滑成分として使用されることになる。(p26)