不適切な審査

『なぜ遺伝子組み換え作物に反対なのか』ジャック・テスタール

 本書は、公の定説を覆した研究チームに対する卑怯で熾烈な攻撃を紹介した。それは二〇一二年九月に起こった「セラリーニ事件」である。テクノサイエンスを推進する一部の責任者の理性を欠いたこうした態度は、経済的争点の巨大さや、イデオロギーによる暴走だけでは説明がつかない。バイオテクノロジー産業やその製品である遺伝子組み換え作物を保護するために、作り話や空約束を繰り返すのは、実に嘆かわしいことだ。要するに、多国籍企業の魂胆は、種子を独占し、特許をとった作物と農薬をセットにして販売し、農民の叡智に基づく仕事を陳腐な作業に変え、最終的には、世界の食糧市場を完全に支配しようとすることなのだ。
 政治権力を審査機関と結託させるこのような企みにおいて、「科学」は隠れ蓑にすぎない。このままでは、GM作物の無害性をめぐる論争は、やり方を変えない限り、今後も不適切な審査による不完全な論文や不十分な分析に基づいたものに終始するだろう。GM作物は、造物主を自負するテクノロジーから誕生したが、これはすでに古い技術だ。(p81)