イノベーションによる賠償コスト

『なぜ遺伝子組み換え作物に反対なのか』ジャック・テスタール

 イノベーションにより、生産性は加速的に向上した。だが、発生するかもしれない賠償コストは、従来の評価システムを根底から揺るがした。人々はそのようなイノベーションに懸念を抱いているのだ。多国籍企業とつながりのある輩が審査委員会に送り込まれたのはイノベーションを擁護するためであるのは公然の事実なのに、われわれは、最も有能だという触れ込みの「彼ら専門家」だけの判断を頼りにしてもよいのだろうか。
 さらには、経済的利益をめぐり、違法な対立が生じることもある。科学の進歩を保護しようというのは、科学者の本能なのかもしれない。とくに、自分の創意工夫に富む活動から生じたものであれば、科学者はなおのことそれを保護しようとするだろう。(p64)