種子の生産様式

『なぜ遺伝子組み換え作物に反対なのか』ジャック・テスタール

 農業の未来を壊すのは、とくに種子の生産様式である。最近の研究によると、ニジェールの農民たちは、急速に進行する乾燥化に適応するために、アワの種子の選別を工夫してきたという。彼らが二十年前に利用していた種子は、今日では水分不足のため発芽しない。しかし現在、彼らが試行錯誤で選別し続けた高品質の種子からは、豊かな収穫がある。GM作物種子を製造する「ハイテク企業」は、環境に適応した種子を選別するという、農村農業が長年かけて培ってきたこうした順応性を獲得できるのだろうか。
 農民たちの協力を得ようと思っても、特許権により、農民たちは自分たちの収穫の一部の種子を作付けに回すことができない。開発までに長い時間と莫大な費用がかかる特許技術では、完全には予測のつかない気候変動による栽培条件の悪化に対し、迅速に対応できないのは明らかだ。計画的な遺伝子変異という「新たなバイオテクノロジー」では、日々刻々と変化する現実に順応するのは無理だろう。(p42)