遺伝子組み換えの影響は制御できない

『なぜ遺伝子組み換え作物に反対なのか』ジャック・テスタール

 科学的な出版物では取り上げられないが、遺伝子組み換えの影響は制御できないという懸念についても、きちんと言及しておく必要がある。たとえば、GM作物創成期に誕生したGMトマトは、収穫後の長期保存が可能という触れ込みだったが、恐ろしくまずいトマトだということがわかり、アメリカの消費者でさえ食べるのを嫌がった。GMトウモロコシを栽培したスペイン農民は、強風後に茎の弱いこのトウモロコシは横倒しになってしまい、啞然とした。ブルキナファソの農民は、GMコットンの繊維には欠陥があることを悟った。寄生虫に耐性をもたせるために遺伝子を組み換えたプラムの木には、果肉が種から離れない実しかならなかった。GMメロンは、熟す前に文字通り爆発した……。
 GM動物にも予期せぬ結果が生じた。動物実験に利用するGM齧歯動物〔ウサギやネズミなど〕の場合、どのような遺伝子組み換えを施したにせよ、一般的に、健康状態は不安定で、生殖率は低く、早死にすることが観察されている。発育を促すために成長ホルモン遺伝子を加えると、牛や豚の場合は糖尿病になり、サケの場合は往々にして頭部が変質した。つい最近、ニュージーランドでは、アレルギーにならない牛乳を生産するために遺伝子を組み換えた牛が登場した。だが、なぜかこの牛には尻尾がない……。その理由を説明できる者は、この牛の開発者も含め、誰もいない。
 これらのことからわかるように、遺伝子組み換えが「制御された技術」だと主張するのは、イデオロギーでなければ無分別といえよう。(p35)