必ずしも高度な常識の持ち主ではない

『なぜ遺伝子組み換え作物に反対なのか』ジャック・テスタール

 問題なのは、研究者は、高度な専門知識の持ち主であっても、必ずしも高度な常識の持ち主ではないということだ。分子遺伝子学者が、環境に関する現象を判断したり、ましてや農村経済や農民文化を正しく評価したりすることなど、できるわけがないのだ……。科学者たちは、新たな科学をつくる自分たちは自由に立ちまわってしかるべきだと考え、そのためには、知識の断片だけで充分だと信じ込んだのである。要するに、彼らは間違った道を歩んだのである。(p34)