二万粒以上の種子

『鎮守の森』宮脇昭 新潮文庫

 一本のシイ、タブノキ、カシ類の老大木には二万粒以上の種子がなる。神社の境内などに落ちているドングリつまり種子を箒で掃いて集め、それを拾い、帰ってすぐ水につける。三〇時間ぐらいつけておけば、中の虫が窒息する。その後、すぐ間伐材などを利用して苗床をつくり、そこに一平方メートルに五〇〇粒ぐらい種をばらまく。ドングリも息をしているから深植えはしない。やっと種が隠れるぐらいに土でおおい、雨で土が流れてドングリが露出しないように、落ち葉をかけるか稲藁を切って切り藁にして上にかぶせる。このようにして一冬置くと、春先にまず根が出る。根が出てから地上部が出る。(p95)