「乾きにくい」という最大の難関

『奇跡の杉』船瀬俊介

 健康被害、環境破壊……。こうした外材によるデメリットがある。にもかかわらず、森林王国なのに、なぜ日本人は自国の木を使わないのか――。そんな疑問が生まれてくる。
 その最大原因は、木材の「乾燥」にある。
 戦後の猛烈な植林運動でもっとも多く植えられたのが杉である。人工林の44%は杉。次いで25%ヒノキ、10%カラマツの順。
 日本全土に生えている樹木の約四分の一は杉だ。杉の語源は”直”。真っ直ぐに伸びるので柱、梁材などの需要を見越して大量植林された。
 ところが杉は国産材の中でも、非常に乾きにくい。そう、乾燥がとても難しい。これが、日本の林業界の前に立ちはだかる大きな壁なのである。(p18)