地球にも経営者のサイフにも優しいほうがいい

『樹と人に無駄な年輪はなかった』伊藤好則

 愛工房に必要な温度としてたどり着いたのが45℃なので、熱源の温度をそれほど高温にする必要がありません。さらに、外気温が上がれば上がるだけ、少ないエネルギーで稼働できます。
 小エネルギーということは地球に優しいし、経営者の懐具合にも優しい。夏場だったら、4m材が入る愛工房のランニングコストは一日で1400円程度と見ていいでしょう。外気温の低い冬場は、その分温度を上げなければいけないので、もう少しコストがかかります。それでも年間平均の電気代は、一日1700円程度です。
 しかし、高温で木材を乾燥させる場合、膨大な量の燃料を燃やさないと、100℃の温度を保てません。実際に現在、木材乾燥機の主流は重油を使ったボイラーです。
 その重油も近年、価格が高騰しています。加えてボイラーにはボイラー管理士の資格を持つ職員を常駐させる必要があるので、人件費もかさみます。どう考えても、安いコストでは済みません。(p67)