林家のアイデアを活かせる山に

『図解これならできる 山を育てる道づくり』大内正伸 田邊由喜男 監修

 つまり山主、林家のアイデアが今以上にもっと生きる経営に変えていくことができる、ということだ。
 四万十式のレイアウトについては第3、第4章で詳しく見ていくが、作業道は作業区分の境界や、施業の足がかりになり、林業に大変な恵みをもたらす。たとえば車で移動できるということは、そこで働く人にとって大きな安心感をもたらす。雨のときはサッと帰ることができるし、緊急の怪我などにもすぐに対処できる。
 また、林産材収益としての林業だけでなく、道があるおかげで、観光林業、市民や子供たちへの体験林業グリーンツーリズムなどにも安心して場所を提供できる。
 環境教育に森林が活躍する時代であり、「森林療法」というような代替医療にも山が役立つ時代になっている。作業道をそれらの散策路と置き換えるなら、また新しい発想が生まれよう。
 林内に花咲く木を残して四季折々の花の山に仕立てたり、子供たちの昆虫観察・昆虫採集の山になるように、カブト虫やクワガタの集まる樹木や、オオムラサキミドリシジミ類など、森林性のチョウを集めるような樹種を積極的に残したり、植樹したりするプランも考えられる。
 人が歩くだけの登山道では、老人や子供、車椅子の障害者などは山に入りにくいが、軽トラの入れる「作業道」ならさまざまなアイデアが活かせる。
 最近では、環境保全や景観づくりに関わる補助金が各方面から出ている。それを利用して事業を展開することもできるだろう。(p26)