末口採材の勧め

『図解 これならできる山づくり』鋸谷茂 大内正伸

 本文では、私は伐り置き間材を紹介し、今の材価で無理して間伐材を使うまでもない、と書いてきた。使わなければという思いこみが結果として山から人を遠ざけ、かえって山の管理をむずかしくしている現実があるからだ。しかし利用できる間伐材があり、搬出できる条件があるなら大いに利用すべきとも述べた。ただその場合でも、合理的な供給方法を追求したい。(p60)


 これまでは「元口」(木の根元)から直材が採れる長さで採材して搬出し、土場や木材市場でさらに末口と材長を計測して、その太さごと、長さごとに区分けして販売された。この方法は大径材であれば当然で、木材が不足していた時代なら合理的、経済的であった。しかし、今日のように全国各地の山から間伐材が大量に搬出される状況では、製材品を作るのにもっとも合理的な大きさの木材を供給することが山元に求められる。
 「末口」を基準に玉切りし、「末口」から腐りなどのない直材が採れる長さ(m単位)で採材すれば、目的の製材品をつくるのにもっとも適した木材を搬出できる。土場での末口計測も不要になり、目視による長さ確認だけで区分することができる。
 この方法を導入すれば、搬出にかかるコストは最少となり、製材時の端材も減らすことができる。不要な部分を山に残すので、山にとってもよい肥料分となる。山の健全化にも大きく貢献するのである。これからの時代、末口採材をお勧めしたい。(p60)