ドングリの木が生えてきた!

『図解 これならできる山づくり』鋸谷茂 大内正伸

 さて、鋸谷式間伐を行なった後は、劇的な変化がみられた。森の空気が一変してしまった。間伐跡地とやや多めに伐った広場(ここは後に道を通して畑も開いた)は、光が入ると春先からスミレなどの植物が一気に萌え出てきた。夏になると広場は青々とした草に覆われ、草を刈らねば座れないほどになった。翌年の春には植物の種類がさらに増え、いったいどこから種がやって来たのか、ドングリの木も生えてきた。
 植物が豊かになれば昆虫も増える。トンボやチョウも見かけるようにもなった。鳥の声も林内にこだまするようになり、倒木の間からノウサギが飛び出す。また、ヘビに驚かされることもあった。間伐後わずか一~二年でこれだけの自然が甦ったことに誰もが驚いた。温暖で湿潤な日本の風土は、動植物の種類が豊富で、もともと森の生命力が豊かなのだ。空間を開け、光環境を与えてやるだけで、地中に潜在していた植物が芽吹き、風や動物が種を運んでくれるのだ。(p20)