人力だけにこだわらない

『わたしの畑の小さな世界』木村秋則

 日本の農業人口は、約二二〇万人(二〇一五年現在)。全体の二パーセントほどですが、毎年一〇万人単位で減少しています。机上の計算では、二〇四〇年代にはゼロになってしまいます。
 核家族、兼業化が進み、昔のように地域の人々が力を合わせて作業する時代ではないのが実情です。しかも、高齢化という現実を考えれば機械化は避けて通れません。
 わたしは各地で、さまざまな栽培指導を行っていますが、自然栽培だからといって人力だけにこだわりません。大事なことは、この農法は、栽培する人が農薬や肥料の役割を果たすことから、多少の手間はかかるということです。農薬、肥料、手間もかからない、そんな都合のいい話はないのです。(p92)