労力の少ない栽培法!

『わたしの畑の小さな世界』木村秋則

 いまでは、年末から年始にかけて、秋に収穫したリンゴの発送作業に追われます。発送前には、リンゴを生食用とジュースなどの加工用に分ける選果作業をします。長年、ご愛顧いただいているお客さまの中には、化学物質の過敏症から、自然栽培のリンゴを命綱として主食にしている方もいます。病虫害の跡や傷が少なく、大きさ、形のバランスがとれた生食用を第一に、アップルパイなどの製菓用、レストランのスープ用、ジュース、ジャム用など、小さくても傷モノでも一個たりとも無駄にはしません。それぞれに合った品質をすばやく見極めるのです。(p18)


 一般栽培では、平均して一本の樹から約一〇箱、三〇〇キロの収量ですが、わたしの自然栽培ではその七割程度です。農薬を使わず病虫害を予防しますから、日当たりと風通しをよくするために、枝数はどうしても少なくなります。(p38)


 一般栽培では、ほぼ毎月、農薬散布と下草の除草作業がありますが、それがない分、自然栽培の作業時間は約一〇分の一程度、かかる資材費用もおもに食酢、袋代、畑に通うガソリン代ぐらいのものです。収量は一般栽培の二、三割減ですが、労力とコストが軽減できるエコノミーな栽培法なのです。(p98)