近代漁業

『無[Ⅲ]自然農法』福岡正信

 畜産のことばかりではない。近代漁業についても同じことが言える。豊富な漁場であった海を汚染し、死の海にしておいて、何倍量かの小魚を餌にして高級魚を養殖し、魚が豊富になったと喜んでいるのが現代の漁業である。どうしたら魚をより多く獲れるかとか増やせるかということばかり研究しているが、これらの手段は巨視的に見ると、漁獲量減少に拍車をかけるばかりである。優れた漁獲法を開発するよりは、手づかみでとれる海を守ることが先決である。エビやタイ、ウナギの養殖技術を研究すれば魚が豊富になるのではない。このような思考と人為こそ、現在の農漁業の破綻の根本的原因となるばかりでなく、海そのものを死滅させることとなる。(p55)