やまと言葉

源氏物語ものがたり』島内景二

 源氏物語は、美しい「やまと言葉」で書かれている。外来語である音読みの漢字熟語は、ほとんどない。古い写本を見ても、ほとんどの文字が「平仮名」である。だから、見た目がとても美しい。それだけでなく、音読にも適している。「いづれの御時にか…」とゆっくり声に出して読むと、日本語の響きの美しさにうっとりする。……
 定家の父・藤原俊成(一一一四~一二〇四)は名言を残している。

 源氏見ざる歌詠みは、遺恨【良くない】のことなり。(p40)