物語

『誰も教えてくれなかった『源氏物語』本当の面白さ』林真理子 山本淳子

 『源氏物語』は、タイトル通り「物語」というジャンルに属する作品である。だが、その中の別格でもある。
 平安時代、「物語」はいわゆる女子どもの暇つぶしのための娯楽とされていた。格式高いとされたのは漢詩や和歌。物語はずっと格下の、大衆向けエンターテインメントだった。現代で言えば漫画やアニメ、ゲームがこれにあたるだろう。人の心をとらえ没頭させる吸引力、いっぽうあまり夢中になると親から注意される点も同じだ。(p14)