カトリックとプロテスタント

三島由紀夫事典』松本徹 佐藤秀明 井上隆史 編

 私の遺書

 【研究】当時、末梢的な心理主義を病んでいた青年にこうした文章を書かせたのは、国家の強権でも軍国主義でもない、カトリックにおける教会にも似た〈われわれを代理し、代行し、代表するもう一つの心〉だといい、プロテスタント的良心(近代的自我)万能主義の戦後日本に疑問を投げかけた。三島の言いたかったのは、かつては「個」を超えた「大義」が生きていたということで、これはそのまま最期の蹶起の思想だろう。(p429)