スラブ派

『決定版 三島由紀夫全集40』

 現代における右翼と左翼  林房雄

 林 ロシアでも革命のために命を投げ出したのはマルクス主義の左翼ではなかった。彼らには謀略があるだけだ。これはマルクスの生産力説と唯物史観から生まれている。人間というものをまるで認めてない。……

 三島 ロシアの場合テロリストは立派でしょう。ロシアの場合はちゃんとその人間が出ていますよ。

 林 あれはスラブ派といわれた連中なんですよ。レーニンは西欧派で、革命戦術を学んで、せっかくスラブ派のデカブリスト、アナーキストナロードニキが命を張ってやった革命を横取りしてしまったんですよ。(p579)