2018-03-29から1日間の記事一覧

真を胸に

『決定版 三島由紀夫全集33』 真(まこと)を胸に――若さに生きよう 端的只今の一念より外はこれなく候 一念々々と重ねて一生なり(葉隠) 新年に想ふのは「葉隠」の一章。マスコミが作る「ものの見方」にとらはれず自分の考へ方で生きていく勇気をもちたい。一念…

社会に受け入れられぬ思想や人

『決定版 三島由紀夫全集33』 受賞者のあいさつ(毎日芸術賞「絹と明察」) 昨年は私にとつて身辺多事な年だつたが、作家は作品で勝負すべきものと信じ「絹と明察」に全力を注いだ。その作品が受賞の栄に浴し、喜びもひとしほである。私は従来から社会に受け入…

私の戦争と戦後体験

『三島由紀夫事典』松本徹 佐藤秀明 井上隆史 編 私の戦争と戦後体験 【概要】私は、戦争中、勤労奉仕と軍事教練とにあけくれ、生活全部を統制されていたが、そこには内心の奇妙な自由が満溢していた。戦争とはエロチックな時代であった。平和論者にとっては…

カトリックとプロテスタント

『三島由紀夫事典』松本徹 佐藤秀明 井上隆史 編 私の遺書 【研究】当時、末梢的な心理主義を病んでいた青年にこうした文章を書かせたのは、国家の強権でも軍国主義でもない、カトリックにおける教会にも似た〈われわれを代理し、代行し、代表するもう一つの…

父子相伝

『決定版 三島由紀夫全集34』 わが育児論 理想的な父親の教育とは、父子相伝の技術の教育であつた。そこに父親といふものの意味があつた。漁師の父親が、息子に、縄のなひ方から、櫓のこぎ方、網の打ち方、などをだんだんに教へてやる。時には、わざと教へな…

祖国防衛隊

『決定版 三島由紀夫全集34』 祖国防衛隊はなぜ必要か? 戦後平和日本の安寧になれて、国民精神は弛緩し、一方、偏向教育によつてイデオロギッシュな非武装平和論を叩き込まれた青年たちは、ひたすら祖国の問題から逃避して遊惰な自己満足に耽る者、勉学には…

弱者の悪

『決定版 三島由紀夫全集34』 二・二六事件について 二・二六事件を非難する者は、怨み深い戦時軍閥への怒りを、二・二六事件なるスケイプ・ゴートへ向けてゐるのだ。軍縮会議以来の軟弱な外交政策の責任者、英米崇拝家であり天皇の信頼を一身に受けてゐた腰…

維新の若者

『決定版 三島由紀夫全集35』 維新の若者 桜田門外の変は、徳川幕府の権威失墜の一大転機であつた。十八烈士のうち、ただ一人の薩摩藩士としてこれに加はり、自ら井伊大老の首級をあげ、重傷を負うて自刃した有村次左衛門は、そのとき二十三歳だつた。 明治…

素人の文章が好き

『決定版 三島由紀夫全集39』 川端康成氏に聞く 川端康成 中村光夫 中村 逆に、いままで書かれたなかで、気に入ってるというような小説は。 川端 それはちょっと待ってくださいね……まあ「十六歳の日記」と「雪国」ですかな。 中村 ………。しかし「十六歳の日記…

文学的偉大

『決定版 三島由紀夫全集39』 対話・日本人論 林房雄 三島 文学的偉大という意味では、西郷隆盛もケチなゴリオも変わりないというのです、ある意味では。 林 異議はありません。政治的偉大が文学的偉大じゃない。文学にとっての偉大はどこにあっても偉大なん…